2024.06.25(火)、4月に開業した「東急プラザ原宿「ハラカド」」に行ってきました。
行ってみて感じた施設の特徴は以下の3つです。
①表参道の交差点という抜群の立地を活かしたランドマーク
②都市型銭湯等の多彩なテナント構成
③広告で稼ぐという新たな収益モデルの商業施設
施設の構成と立地
視察レポ
交差点に建つランドマーク
ハラカドは、表参道と明治通りが交差する神宮前交差点という抜群の場所にあります。
交差点を挟んで対角には同じく東急プラザがあり、お互い向かい合った感じになっています。
ハラカドの開業に伴い、こちらは「東急プラザ表参道「オモカド」」に改称されました。
この交差点は著名な建築家の競演の舞台ともなっおり、場のシンボル性を高める一因となっています。
・ハラカド:外装と屋上を平田晃久(まえばしガレリア、太田市美術館・図書館等)デザイン
・オモカド:中村拓志(ZOZO本社屋、界 ポロト等)が設計
それぞれの屋上からはお互いのビルを望めます。
特にハラカドの方は階段状の立体広場のようになっており、自然とオモカドや交差点を感じられるようなデザインになっていました。
多彩なテナント構成
ハラカドの一番特徴的なテナントは、地下の銭湯「小杉湯原宿」でしょう。
当初は都が定める公衆浴場の入浴料金に合わせて大人は520円でした、オープンして3ヶ月ちょっとで550円に値上げされましたがそれでもこの場所でこのお値段は格安です。
自分が行った時も結構お客さんが来ていました。
奥には図書室・コワーキングスペースやヨガスペースもありました。
個人的におもしろいとおもったのは2FのTENGAのお店「TENGA LAND」です、、衝撃でした笑
5,6Fはフードコートです、屋上広場と一体的で公園のような空間でした。
新たな収益モデル
施設内を歩いていて一番感じたのは、店舗区画が小さく開放的な空間が多いな〜ということです。
4Fの「ハラッパ」はワンフロアまるまるパブリックスペースですし、他にも立体的な屋上広場や3Fの雑誌の図書館「COVER」等、無料で入れる空間がたくさんあります。
普通はできるだけ店舗にして賃料収入を少しでも確保しようと考えると思うのですが、、
賃貸面積だけでなく賃料単価の観点でも、例えば上述の銭湯はとても高いとは思えません、、
調べてみると、全体の収益のうち、物販が占める割合は半分強にすぎず、他はリテールメディア、つまり館内にあるスペースを活かしたイベント等による広告収入で稼ぐモデルを目指しているとのこと。
昨今ECサイトの台頭でお店でモノが売れなかったり建設費が高騰したりしている中で、事業性を高める策として新しい収益モデルだな〜と思いました。
テナント区画でもフォトスタジオやイベントスペース等が多くあり、情報発信拠点としての機能を垣間見れました。
ハラカド町内会
ハラカドには、入居テナントにより構成・運営されるクリエイティブコミュニティ「ハラカド町内会」というものがあります。
従来の施設運営や情報発信とは異なり、町内会メンバーが自らイベントやコンテンツを企画し発信しながら新しい価値を「共有」することで、その価値観に「共感」する新たな仲間を集め、その仲間たちと一時的な流行ではなく文化をつくる「共創」が生まれることをめざします。
詳細はこちら。
まとめ
テナント構成や収益モデル等、斬新さ・ユニークさを感じられる商業施設でした。
一見の価値はあると思います。
【参考】施設概要
開業:2024.04.17(水)
事業者:神六再開発(株)(東急不動産(株)と東京地下鉄(株)が共同出資)
事業名称:神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業
敷地面積:約3,085m²
延床面積:約19,940m²
用途:店舗、公共公益施設、鉄道用変電施設、駐車場等
階数:地上9階 地下3階 塔屋1階
高さ:約
設計:設計・監理 (株)日建設計
外装・屋上デザイン (株)平⽥晃久建築設計事務所
ランドスケープ (株)DAISHIZEN
デザインマネジメント (株)日建設計・マイオ建築研究所
施工:清水建設(株)
都市計画:高度利用地区